匂いの歴史を読み解く

匂いについて語り始めると色々な意見が飛び交います。好きな匂い、落ち着く匂い、一日一回は匂いを嗅がないといけないなど、多様な反応が返ってくるので面白い。ただ匂いと呼称されるものが全て良い物とは限りません。このサイトでは人間の生活において切り離せない『匂い』について話をしていこう。

起源を読み解く

匂いは人と結び付きがあると話しました、ではその起源がいつからか知っているでしょうか。実は匂いについて話をしていくと、人類史の古代にまで遡り、かつてメソポタミア文明と呼ばれた地から既に香料は利用されています。もっと厳密に言えば、人間とニオイの始まりは人間が火を最初に見つけた瞬間からだ。壮大な話になってきましたが、その頃は流石に香りなるものはなかっただろう。そうなると匂いや香りといった鼻孔をくすぐり効果をもたらす香料が開発された瞬間、そこを起点にして考えると良いかもしれません。

では匂いがいつ歴史の表舞台で重要なものとして取り上げられるようになったのかと言うと、当時開発された香料を神に捧げるために作った時だ。かつて古代エジプト人は治世を作り上げた王様が亡くなると、その亡骸に香料をたっぷりと塗布して手厚く葬ったと言われています。あれだろうか、死体を放置する上で腐っても強い香りでごまかせるから、なんてあれな理由であってほしくない。ただこれは一概に否定できず、当時のミイラ作りにおいて香料は欠かせない材料だったのだ。死体に香料を染みこませることで防腐・防臭効果が期待できたと言われているので、あながち間違ってはいない。またこの頃は香水と言うよりは、食物や菓子の風味付けなどに使用するというのが一般的な使い方だった。

匂いの歴史を読み解いていくと、香水が誕生したのは世界的に見ても中世のヨーロッパからとなっています。

香水の誕生

香水が初めて歴史の表舞台に登場したのは16世紀のこと、まさに時の寵児とも言われた有名人たちが群雄割拠のごとく台頭していた時代になります。香水の話といえばマリー・アントワネットなども例外ではない。彼女もまたその当時のフランス王家の后として振舞っていた。では彼女が始まりかといえば、実はそうではない。初めて香水を使用したのは彼女よりも前のフランス王妃であった『カトリーヌ・ド・メディシス』だ。フランスアンリ2世の正妻で、サン・バルテルミの虐殺を引き起こしたと言われる史実屈指の悪女として知られている。

物騒な話だと感じるかもしれませんが、そういう方が香水を使用しているというのはありがちだ。けれど香水こそ誕生して、後にマリー・アントワネットを始めとした貴婦人たちが愛用することになるが、誕生に至るまでの説は複数存在している。今でも解明されていませんが、恐らくはイタリアで発売された『アクア・ミラビリス』なる水から後に香水の種類である『オーデコロン』が誕生したと言われています。

マリー・アントワネットの場合

オーデコロンが誕生した後のフランスにおいて、貴婦人たちが香り豊かな香水を嗜むようになっていった。反面で自身の体臭を隠すためという本質部分を知ってしまうと、なんだかシュールだ。某有名アニメ作品にてヴェルサイユ宮殿で華やかに舞踏会をしている中で、皆がニオイを意識していると考えたら笑いたくなる。

そんな香水の歴史においてもマリー・アントワネットの名は刻まれている。ただ彼女の場合は治世があまり良くなかったこと、そして国民感情から反発心を度々招いたために、予想していたほど流行らなかったと言われています。そのまま廃れていったのかといえばそうではなく、皮肉にもマリー・アントワネットがギロチン断頭されてから10年後に流行ったというのだ。特に好んで使っていたと言われているのが、バラやスミレといった花々を中心とした香水と言われています。

近代以降における香水革命

香水が登場してからというもの、女性が香水を利用しないのはおかしいとまで言われるくらいになった。作ることもたやすくありませんでしたが、科学の登場によって効率よく生産できるすべを人は手に入れることとなる。そして匂いについての詳しい研究が重ねられていき、香料を使用した新しい楽しみ方が誕生した瞬間だった。

技術革新が進歩していく中で合成香料を製造できるようにもなっていったので、香料を使用する範囲は益々広がり、やがて匂いを香りとして楽しもうとする習慣が始まります。その勢いはやがて日本にも大きく影響を与えていきます。

激動の時代にありながらも

ヨーロッパで本格的に誕生した香水たちだが、時期的に見れば分かるように歴史的な視点で見ると激動の時代だった。フランス革命はもちろん、サン・バルテルミの虐殺なども例外ではありません。それら歴史における転換期に翻弄されて香りを楽しむ術が失われてもおかしくはありませんでした。事実、かの皇帝であるナポレオンの天下においても香水作りは盛んに行われていました。ですがその治世は僅か10年足らずと瞬く間に倒落しますが、香水の原料となる植物の栽培や香料の製造は止むことはなかったのです。

その街とは現在でもその名を聞けば誰もが知っている『グラース』だ。別名『世界の香水の都』とまで言われた屈指の香水産業国として、その名を轟かせていたのです。この街からはあのシャネルやディオール、ロシャスといった超有名ブランドの香水達も生まれた。ファンにとって忘れてはいけない、女性なら誰しも足を使ってそちらに行きたいと言わしめるほどと言われています。